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教授 藤原茂喜(Shigeki Fujiwara / フジワラ シゲキ)

業績

プロフィール

学位 博士(工学)東京大学  
生年月日 年齢
所属研究室 ものづくりの科学研究室
研究分野 エンジニアリング・デザイン教育,技術者倫理,後戻りのない最適設計技術,メカトロニクス,ロボティクス
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最終学歴 大阪大学大学院工学研究科精密工学専攻修士課程修了
職歴 関西大学大学院 非常勤講師(兼務) (2017年04月01日~現在)
豊田工業大学 教授 (2015年10月01日~現在)
パナソニック株式会社 (2012年01月01日~2015年09月30日)
東京大学 生産技術研究所 樋口研究室 受託研究員 (1986年12月01日~1988年09月30日)
松下電工株式会社 (1986年04月01日~2011年12月31日)
主な研究論文 ・Shigeki Fujiwara, Hitoshi Kitano, Hideki Yamashita, Hiroshi Maeda, Hideo Fukunaga, “Omni-directional Cart with Power Assist System”,Journal of Robotics and Mechatronics Vol. 14, No. 4, pp. 331-341(2002.05)
・藤原茂喜,北野斉,山下秀樹,前田裕史,福永秀樹, “全方向移動型パワーアシストカートの操作性向上”,日本ロボット学会誌Vol. 22, No. 2, pp. 75-81(2004.03)
・藤原茂喜,山下秀樹,前田裕史,岡野正紀, “全方向移動型パワーアシストカートの衝突回避機能”,日本ロボット学会誌Vol. 22, No. 3, pp. 105-111(2004.04)
・樋口俊郎,津田匡博,藤原茂喜, “磁力支持方式精密自動組立用ハンドの開発”,日本ロボット学会誌Vol. 7, No. 2,pp. 23-35(1989.04)
学会活動 ・精密工学会正会員(1988年~):関西支部商議員・幹事(2010~2015年),関西支部副支部長(2012~2013年),2013年度精密工学会秋季大会学術講演会 副実行委員長
・日本ロボット学会正会員(1987年~)
・日本機械学会正会員(2015年~):ロボティクス・メカトロニクス部門運営委員(2008~2009年)
・日本技術士会会員(2016年~):中部本部 倫理委員会委員(2019年7月~),教育促進小委員会委員(2018年3月~),
・日本技術士会中部本部登録 倫理実践力開発普及会 代表(2022年3月~)
・日本工学教育協会会員(2016年~)
・日本設計工学会正会員(2018年~) 
社会活動(研究に関する学会活動以外) 製造科学技術センター(MSTC)主催:ものづくり製造技術ロードマップ・生産システムワーキンググループ委員(2007~2008年)   
学内運営(委員会活動等) ・ものづくりの科学教育センター 副センター長(2015年10月~2022年3月)、事務局部長(2015年10月~)
・創造性開発センター センター長(2020年4月~2022年3月)
・創造性開発工房(Eiji工房) 工房長(2017年4月~)
・創造性開発センター協議会 議長(2020年4月~2022年3月)
・創造性開発工房協議会(旧工作実習工場運営部会)議長(2017年4月~2020年3月)
・教務委員会委員(2016年4月~)
・総合安全委員会委員(2016年4月~) 
担当授業科目 学部:設計演習,図学と製図,工学リテラシー1・2,創造性開発実習1・2,創造性開発セミナー,科学技術と倫理 
修士: 
教育実践上の主な業績 1 教育内容・方法の工夫(授業評価等を含む)

1 演習の効果的活用
【図学と製図】
 JISに基づく製図を描けることができるようになることを最低水準としている.授業は毎週の進捗とともに,その理解度確認用に最初に毎週20分程度の小テストを実施.その後,時間のかかる図面を描くこととしている.少なくとも一つの課題を手書きとすることで,JISにおける線の種類の理解や線の太さの重要さを学ばせている.
 小テスト6回分と5種類の製図(3DCAD2回,2DCAD2回,手書き製図1回)を描くことで,JISの理解度と図面の正確さを評価した.
 図面は個別指導も必要なため,希望者には図面のメール添付により指導した.
【設計演習】
 ほとんどの学生が使っているコンシューマ商品(勉学用椅子)を対象に、調査・企画・設計・試作・評価方法を学ばせ、企業での商品化の過程を簡易的にに疑似体験させた.既存の製品に対する問題の発見方法,アイデアの集団での発想方法,発想した製品の簡易説明のための手書きドローイング,複数アイデアの定量的な優先順位の付け方,顧客の要望を技術者が定量化する要求仕様書の書き方,製品に対する個別機能の計算方法(力学や材料力学の使い方),企画書の作成方法,3Dモデリング,JISに基づく2D図面作成,3Dプリンタや木工,機械加工を用いた部品の製作し,それらの部品の組立など,技術者としての創造性開発の総合力とそのための設計力をみがく内容であった.

2.創造性開発
【設計演習】
集団発想法の訓練:5~6人のチームでブレインストーミングをさせることで,チームプレイで発想が豊富になることを学ばせた.(対象は勉学用椅子の問題点とその問題点の技術的解決手段の2回)

3.エンジニアリングデザイン力の向上
【設計演習】
①アイデアの説明資料の作成:自ら考えたアイデアをA3用紙1枚で他者に説明できるように指導した.
②アイデアの定量的な優先順位の付け方:思い付きで拙速な結論付けをしないように,チーム内各個人で考案した技術的アイデアを一覧表にして,定量的な優先順位の決め方を指導した.
③機能設計:チーム内で考えたアイデアをカタチにするための力学計算や材料力学などをさせた.→(ほとんどの学生はまともにできなかった.出された問題を解くのは得意だが,自ら問題を発見するのはかなり困難であることがわかった)
④要求仕様:カタチあるものを設計・製作する場合,特徴のあるアイデアだけではモノにならず,それを実現するための周辺の設計根拠も重要となる.この設計根拠の考え方を指導した.
⑤JISに基づく設計:チームで考案したカタチをJISに基づいて図面化し、試作させた.

4.リーダーシップ力の向上
【設計演習】
チーム内で毎週一人ずつ交代でリーダを決め,チームとしての授業時間内の盛り上げや進捗管理,最後にその日の進捗報告をさせることで,チームをまとめることの難しさを学ばせた.

5.プレゼンテーション力の向上
【設計演習】
商品企画(中間発表)と最終報告の2回,わかりやすい資料の作成の指導及びチーム毎の発表をさせるととともに,聴講している学生がその発表内容を採点し,プレゼンテーション力を競わせた.

6.3Dプリンターの使いこなし
3Dプリンタを教育関係予算にて4台購入
【設計演習】チームで企画構想しSolidWorksで設計した部品を,3Dプリンタを使って,椅子の一部を製作した.
【創造性開発セミナー】SolidWorksにて学生に設計させた3DCAD図をもとに,TAに3Dプリンタを操作させて製作した.

7.工学リテラシーにて手作業導入
【工学リテラシー1「塑性加工」】にて,手作業経験の少ない学生の増加に対応するため,ハンマーを用いた自由鍛造やラジオペンチを用いた針金の曲げなどを実施した. 


2 作成した教科書、教材、参考書

1.図学と製図(2年次前期,2単位,6週分担当)用に作成した教材
授業資料6週分とミニテスト6週分を作成し、学生に配布した。これら教材によって学生のよりよい理解を図った.

2.図学と製図(2年次前期,2単位,6週分担当)用に製作したスケッチ用小型サンプル
簡単な3次元形状を,3次元に見えるように2次元平面に描くことができる学生が減少している.そのため,3Dプリンタを使って手のひらサイズの3次元サンプルを製作し,毎週違った形状を学生に描かせる訓練を行った.

3.設計演習(3年次後期、2単位)用に作成した教材
毎回の授業資料を作成,学生が作成する資料として,①市場調査報告書,②アイデア発想シート,③アイデア検討表,④アイデア比較表,⑤要求仕様書,⑥商品企画書,⑦機能設計書のフォーマットを作成し,エンジニアリングデザイン実習をしっかりとできる資料を作成した.それらにより,就職後に有効活用できるノウハウを伝授できる.

4.工学リテラシー1「塑性加工」(1年次前期,1単位)用に作成した教材
塑性加工の基本を一通り実習できるように,①自由鍛造,②プレス加工(抜き加工),③曲げ加工をすることで,金属製トンボを各自1匹ずつ楽しんで製作させることとした.追加で④熱処理による鋼のビッカース硬さの変化も体験させた.これらにより,体心立方格子と面心立方格子で塑性変形のしやすさを実感できる実習となった.

4.工学リテラシー2「溶接」(1年次後期,1単位)用に作成した教材
アーク溶接やスポット溶接が実際に使われている自動車の部位(アーク溶接は自動車のシャシー部材,スポット溶接は自動車のボディ)の理由を調査してくるように事前課題(宿題)を設定した.それにより,多くの溶接方法の中で,本実習の溶接方法がなぜ選ばれたのか理解できるようになり,実習のモチベーションが上がったものと考えられる."

3 教育方法・教育実践に関する発表、講演等

1.日本工学教育協会にて口頭発表
1)藤原茂喜:“遠隔授業におけるアイデア創出,2021年度工学教育研究講演会講演論文集,(2021),pp.396-397.
2) 藤原茂喜:“創造性開発のための集団発想教育(第3報)−要求仕様書の作成−,2019年度工学教育研究講演会講演論文集,(2019),pp.40-41.
3) 藤原茂喜:“創造性開発のための集団発想教育(第2報)-チーム内複数アイデアの定量的優先順位付け-”,日本工学教育協会 平成30年度 工学教育研究講演会講演論文集,(2018), pp.112-113.
4) 藤原茂喜:“創造性開発のための集団発想教育-チーム内複数アイデアの定量的優先順位付け -”,日本工学教育協会 平成29年度 工学教育研究講演会講演論文集,(2017), pp.374-375.
2.日本設計工学会にて口頭発表
1) 藤原茂喜:“システマティックな商品開発手法による集団発想教育(第2報)”,日本設計工学会2021年度春季大会研究発表講演会講演論文集,(2021),100-101.
2) 藤原茂喜:“システマティックな商品開発手法による集団発想教育”,日本設計工学会2019年度春季大会研究発表講演会講演論文集,(2019),27-28.

3.第163回教育工学研究会にて口頭発表
主催:計測自動制御学会(SICE)中部支部
協賛:教育システム情報学会東海支部
発表題目:チームによる創造性開発教育
講演内容:設計演習の企画内容

4.第2回専門職技術者初期高等教育シンポジウム
「PBL& エンジニアリングデザイン※2 教育・事始め」にて講演
主催:公益社団法人日本技術士会 中部本部倫理委員会 教育促進小員会
発表題目:創造性開発のための集団発想とものづくり教育
講演内容:設計演習の授業内容概略

4 その他教育活動上特記すべき事項

1.高大連携:サイエンス体験プログラムを実施
炭素鋼は約900℃を超えると結晶格子が相転移し,変形しやすくなる.このことを楽しみながら実感するために,自由鍛造にてペーパーナイフを高校生に製作させた.

2.CDIOの調査
2018年6月:CDIO国際会議(金沢工業大学)にて聴講
2017年8月:木更津高専のCDIOの進捗状況を調査
2015年10月:金沢工業大学のCDIO,PBLの進捗状況を調査 
その他

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