パルスレーザー加熱によるパッチ状Ge薄膜の粒子化プロセスに関して、基板の表面凹凸構造は、 (1)薄膜の表面積の拡大に伴う薄膜の表面・界面自由エネルギーの増大によって変形の駆動力が大きくなる効果、(2) 溶融Geのみかけの接触角を大きくする効果などを与えると期待される。今年度、Si(100)基板に対して、銀ナノ粒子を用いた金属アシストエッチングによる微細な凹凸構造の作製を試み、ナノサイズの凹凸構造と表面に垂直なナノ細孔をもつ表面が得られた。このSi表面を熱酸化した基板を用いてパルスレーザー加熱によるGe薄膜の粒子化実験を実施した。そして、ナノサイズの凹凸構造と細孔をもつ基板上のGe薄膜は平坦な基板上のGe薄膜に比べてレーザー照射によって溶融しやすいこと、凹凸構造の高さが50 nm以上になるとサイズの小さなGe微粒子が多く生成し、大きな球状粒子を得る上で不適当であることがわかった。
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