Er添加シリカガラスは光通信用のファイバアンプ素材として広く用いられているが、アンプの高性能化やレーザー応用を目指して、さらなる高品質化および組成/屈折率の高精度制御が求められている。本研究では、Er添加シリカガラスのMCVD法による製造プロセスの改良および、構造と光物性の相関の解明に取り組んでいる。これまでの研究成果を以下に記す。
①MCVD法の改良
Ybの場合と同様に、気相でErを添加できるようにMCVD法を改良した。この結果、高精度の組成および屈折率制御が可能となった。Yb用とは独立にEr用の炉を付設したので、ErおよびYbの組成比を変えた共添加が可能である。
②高効率ファイバアンプの開発
上記方法を用いて最適濃度プロファイルを実現し、効率78%の高効率ファイバアンプの開発に成功した。
③Er添加シリカガラスにおける濃度消光の抑制
高濃度Er添加シリカファイバアンプで問題となる濃度消光について、ガラス構造との相関を検討し始めた。
④ErYb共添加シリカガラスを用いた高励起用ファイバアンプの開発
高励起用ファイバアンプの高効率化を目指して、添加物の検討等を開始した。
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