自動車の運転支援・自動運転には走行環境の認識・理解は重要である.しかし,実環境では,逆光や夜間無照明などの厳しい照明環境及び霧や豪雨,豪雪などの悪天候条件もあり,カメラやレーザレーダでは認識できない場合がある.一方,ミリ波レーダは照明や天候の影響を受けにくいが,空間分解能が低く電波干渉ノイズが多いと言う課題がある.そこで,深層学習などの機械学習技術により,統計的なノイズ低減や高分解能化を行い,各種悪環境でも高精度に認識が可能なセンシング手段の実現を目指す.
走行環境認識において物体の種別識別は重要なテーマの一つである.しかし,空間分解能の低いミリ波レーダでは困難な問題となっている.これに対して,ミリ波レーダの反射波の強度・拡がりと検出位置の時系列データから深層学習により物体識別の精度を向上させることを本研究の目的とする.現状では,時系列データを扱うことが出来るLSTMを用いて,人・車・自転車の検出物体種別を約98%の精度で識別できている.
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