研究概要 |
本研究は、マグノン(強磁性体の磁化揺らぎ)の熱輸送現象をうまく利用して、スピンゼーベック効果(Spin Seebeck effect: SSE)の発電効率を、通常技術よりも100~1000倍に増強することを目指すものである。
SSEは、多層膜を作製するだけで熱電発電できる。平坦な面であればどこにでも作ることができ、その適用可能範囲は極めて広い。しかし、発電効率が十分高いとは言い難く、ここに大きな問題が横たわっている。そこで、本研究では、フォノンの熱伝導によるエネルギー損失を最大限に抑えつつ、マグノン(磁化の揺らぎ)の伝播を利用して、熱浴から熱エネルギーを取り出し、SSEにより発電する新技術を確立する。(A. Yagmur et al., Physical Review Applied 14, 064025 (2020), Physical Review B 103, 214408 (2021).)
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