1990年代から急速に普及してきたインターネットとPCは様々な環境でその処理性能を活かして利用されてきている。そして、初期は研究者間の情報交換などで利用されていたインターネットは、情報を共有するという目的を同じくする人々のみの利用から商用利用開始以来、誰もが何の目的にでも利用する手段に変貌し拡張され続けている。
それにつれて、システム面ではIPv4アドレスの不足に対してIPv6アドレスの併用が進められている。また、1990年代と同じ感覚で利用して様々な脅威に狙われる一面がでてきた。これらに対して、IPv4とIPv6をより便利に併用したり、PCをインターネットに接続して安全に利用したりする様々な技術や研究がなされ実用化されてきている。
しかし、これらの新しい技術環境をそのまま取り入れた場合、セキュリティを維持した通信自体は実現できても、従来の利用環境が大きく変わり、使用者が戸惑うあるいは使いにくいものになってしまう可能性もでてきている。
そこで、どの様な環境を構築すれば、ユーザーがセキュアで便利な新環境にまごつくことなく移行し活用できるか、ハードウエア・ソフトウエアの両面から学内LANをベースとしたICT環境を開発・実現していくことがこの研究の目的となる。
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