研究室概略 |
燃焼・ガス化の基礎現象の解明、および高効率でクリーンな燃料エネルギー変換と再生可能エネルギーの開拓 |
研究室紹介 |
反応性熱流体力学の見地から燃焼・爆発現象を解明
本研究室における研究のキーワードは、「燃焼」、「エネルギー」、「伝熱」、「安全工学」である。そして人類の生活に欠かせないエネルギーを、如何に高効率、安全、クリーンに造り出すかを最終的な研究目的としている。
本研究室で最も注力しているテーマである燃焼現象は、流体力学、伝熱、熱力学、化学反応、移動速度論、数値計算などを基礎とする複合現象であり、反応性熱流体力学と呼ばれることもある。複合現象ゆえに解析も難しく、環境問題となっているPM2.5(2.5μm以下のParticle Matter)の生成メカニズムでさえ研究途上にある。この複雑な現象を基礎実験、理論、モデル化、数値計算によってアプローチしていく。
また、再生可能エネルギーとして注目されるバイオマス(草木)の高効率エネルギー変換を目指している。バイオマスは、単位重量当たりの発熱量が代表的な固体燃料である石炭の1/2程度と低いため、ガス化、熱水分解、炭化などの手法でエネルギー密度を増加させる研究が鋭意実施されている。本研究室では、ガス化による水素製造、炭化条件と炭化燃料の反応性の関係解明などの研究を行っている。
工作機械や宇宙機器の移動部位における位置決め精度は、近年サブμm以下へと要求が高まっているが、例えば転動体の接触部位や組み立てた部材間に接触熱抵抗があれば、温度の不連続性が起因となり不測の膨張が起こり、機械精度に大きな影響を及ぼす。本研究室では、接触面の微細形状や曲率と接触熱抵抗の関係について調査している。また、低圧域における分子流領域から常圧まで変化する際の,分子動力学と接触熱抵抗の関係についてデータ取得,およびDSMC法(Direct Simulation Monte Carlo Methods)を用いた数値解析を行っている。
以上のように本研究室で取り組んでいる燃焼、エネルギー、伝熱は、航空宇宙、エネルギー/廃棄物関連、エンジン、冷熱機器などの産業界で必須となる学問であり、社会の要求を見据えながら基礎現象を追求する姿勢で研究を行っている。 |
主な研究テーマ |
・高圧気体の燃焼機構、保炎条件、および安全工学の研究
・可燃性気体の発火における熱面金属表面のミクロ形状の影響
・固体、および粗悪液体燃料の燃焼・ガス化機構、高粘度液体の噴霧
・再生可能エネルギー(バイオマス等)の有効利用(高度エネルギー変換)
・エネルギー機器における伝熱(接触熱抵抗ほか)および分子流領域での伝熱解析 |
研究室HP |
https://www.toyota-ti.ac.jp/Lab/Kikai/n-energy/index.htm |
個別研究テーマ |
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