研究室概略 |
原子分子クラスターの物性・反応性の解明と機能開拓を目指す物理化学研究 |
研究室紹介 |
原子(分子)クラスターとは,数個から数十個の原子あるいは分子が集合した直径数ナノメートル以下の超微小粒子である。その最大の特徴は,構成原子・分子の数(クラスターサイズ)が一つ増減するだけで,クラスターの特性が劇的に変化することである。この特徴的なサイズ依存性を示す物理・化学現象を探索し,その現象を支配する基本原理を解明することが我々の目標である。さらに,この原理を基に,革新的な機能の開拓とクラスターマテリアル創製に向けた物質設計の指針を構築する。このような、極微小かつ微量なクラスターの検出・操作が要求される実験研究には既存の測定手段が適用できないため,独自の方法論を開発して研究を進めている。 |
主な研究テーマ |
・クラスターの物性と反応の原理解明
原子数が規定されたクラスターについて,物性と反応性を支配する基本要因を実験・理論の両面から明らかにし、クラスター複合体科学への展開をはかる。物性研究では,最先端のレーザーや放射光を利用した超高感度分光法で電子スペクトルを測定し,電子状態・スピン状態の解析から,局在電荷などの電子物性を探究する。反応性研究では金属クラスターへの分子の吸着、吸着分子の活性化、反応などの各過程に現れる反応中間体および生成物を質量分析法と赤外分光法を用いて同定する。また、クラスター上での反応を電子軌道の観点から解明し、クラスター触媒への応用を目指す。
・クラスターマテリアルズの創製と新機能開拓
固体表面に固定されたクラスターをクラスターマテリアルズのモデル物質として捉え,サブナノ空間での電荷分極に代表される新しい概念に基づいた機能を追求する。単一原子組成多元素クラスターを固体表面上に構築し,走査型プローブ顕微鏡などを用いて,サブナノ空間分解能で電子構造・幾何構造などの物性を調べる。また、定常状態や条件変化後の過渡的な化学反応速度を計測することで、クラスターの物性と反応機構との相関を求める。分子変換触媒や光・電子素子などの新規機能を開拓し,クラスターマテリアルズ科学を確立する。 |
研究室HP |
http://www.clusterlab.jp/ |
個別研究テーマ |
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